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贈与税の基本・計算方法

贈与とは?仕組み・税金の計算方法から非課税になるケースまで解説

中村 恵子 / 更新:2026-06-24
贈与とは?仕組み・税金の計算方法から非課税になるケースまで解説
親からまとまったお金をもらう、住宅資金を援助してもらう――そのとき真っ先に気になるのが「贈与税っていくらかかるの?」という不安だと思います。結論から言うと、年110万円までの贈与なら贈与税はかかりません。使える非課税の枠と仕組みさえ押さえれば、税金を抑えながら財産を渡せます。
  • 贈与税は、個人から贈与で財産をもらった個人にかかる税金です。
  • 贈与税には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つの課税方式があります。
  • 暦年課税では年110万円までの基礎控除があり、その範囲なら申告も納税も不要です。
  • 暦年課税の税率は8段階で、10%から55%まで上がります。
  • 相続時精算課税には2,500万円の特別控除があり、超えた分に一律20%が課税されます。

相続・終活の取材を12年続けてきた中村です。元銀行員として相続相談の窓口にも立っていました。贈与の相談は本当に多いのですが、「知らずに損していた」ケースを何度も見てきました。この記事では、専門用語をかみ砕きながら、使える非課税のルールを順番に整理します。

贈与の結論

受け取る金額は同じでもコレをやるだけ!贈与税がかからない方法を徹底解説します!【定期贈与】
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贈与税は年110万円までなら非課税で、課税方式を選んで使い分けるのが基本戦略です。

贈与税は、財産をもらった人(受贈者)が払う税金です。財産をあげた人ではありません。ここを勘違いしている方が、相談窓口でも本当に多かった。

課税のもとになるのは、もらった財産の「もらった時点の時価」です。財務省の資料でもそう定められています。

年間110万円以下の贈与なら、贈与税はかからず申告も不要です。まずここを基準にして、超える場合だけ次の対策を考えれば十分です。

贈与とは何か、その仕組みと税金

贈与とは、個人が無償で財産を相手に渡し、相手がそれを受け取ることで成立する行為です。

贈与とは何か、その仕組みと税金

親が子に現金を渡す、祖父母が孫に教育費を出す、夫婦の間でマンションの持分を分ける。これらはすべて贈与にあたります。

財務省の資料によると、贈与税は個人から贈与で財産を取得した個人に課され、財産取得時の時価が課税価格になります。会社からもらった場合は贈与税ではなく所得税の対象になる、という点も覚えておくと混乱しません。

そして贈与税には課税方式が2つあります。「暦年課税」と「相続時精算課税」です。この2つの選び方が、結果として支払う税額を大きく左右します。

贈与税の2つの課税方式
方式控除の枠税率
暦年課税年110万円の基礎控除10%〜55%の8段階
相続時精算課税2,500万円の特別控除(別に年110万円の基礎控除)超過分に一律20%

暦年課税での申告・納付

暦年課税の申告期限は、原則として贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。

暦年課税での申告・納付

暦年課税は、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計で計算します。これが「暦年」という言葉の意味です。

その合計が110万円以下なら、申告も納税もいりません。110万円を超えたら、超えた部分に税金がかかり、翌年に申告と納付が必要になります。

正直に言うと、この「翌年の3月15日まで」を見落とす人が多い。所得税の確定申告と時期が重なるので、まとめて準備しておくと楽です。

相続時精算課税での申告・納付

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相続時精算課税は、2,500万円までの贈与を非課税にできる代わりに、相続のときにまとめて精算する仕組みです。

財務省の資料によると、特別控除は2,500万円で、これを超えた部分には一律20%が課税されます。原則として60歳以上の親・祖父母から、18歳以上の子・孫への贈与で選べます。

大きく変わったのが2024年からの改正です。生命保険文化センターの解説では、2024年1月以後の贈与から、相続時精算課税にも年110万円の基礎控除が適用されるようになりました。

つまり、毎年110万円以下なら、相続時精算課税を選んでいても申告不要かつ相続財産にも足し戻されない。これは正直、かなり使い勝手が良くなった改正だと思います。

相続時精算課税は一度選ぶと暦年課税に戻せません。慎重に選ぶ必要があります。

贈与税の計算

暦年課税の贈与税は、もらった額から110万円を引き、残りに税率をかけて計算します。

税率は8段階で、10%から55%まで。もらう金額が大きいほど税率が上がる累進構造です。誰からもらうかによって、適用される税率表が「一般税率」と「特例税率」に分かれます。

特例税率は、18歳以上の子や孫が、親や祖父母から贈与を受けた場合に使えるもので、一般税率より負担が軽くなります。

例えば、親から500万円をもらった場合。500万円から110万円を引くと390万円。これに特例税率をかけ、控除額を引いた額が贈与税になります。同じ金額でも、特例税率のほうが一般税率より税負担は小さくなります。

贈与税が非課税になるケース

贈与税には、110万円の基礎控除以外にも複数の非課税枠があり、目的に応じて使い分けられます。

贈与税が非課税になるケース

代表的なものを整理しておきます。どれも条件を満たせば、税金をかけずに財産を渡せる仕組みです。

  • 年110万円以下の贈与は、暦年課税の基礎控除内で非課税です。
  • 親が子の生活費・教育費を必要な都度渡す場合は、通常必要な範囲なら非課税です。
  • 婚姻20年以上の夫婦間で居住用不動産を贈与する場合、最大2,000万円が配偶者控除で非課税になります。
  • 教育資金の一括贈与の特例は、2026年3月末で終了予定です。
  • 相続時精算課税を使えば、2,500万円まで贈与時の課税を繰り延べられます。

生活費や教育費が非課税になるのは「必要な都度渡す」のが前提です。まとめて何年分も渡して預金しておくと、贈与とみなされて課税対象になることがあります。ここは取材でも税理士が口を揃えて注意していた点です。

教育資金の一括贈与については、freeeの解説でも期限の延長や見直しが繰り返されてきた経緯が整理されています。利用を検討するなら、最新の終了時期を必ず確認してください。

住宅取得の際の贈与税の特例

【最新版】節税は結局これが一番!専門家が伝える賢い贈与税対策を解説!
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住宅取得等資金の贈与には非課税措置があり、親や祖父母からの住宅資金援助を一定額まで非課税にできます。

財務省の資料によると、既存住宅を取得する場合は「耐震基準に適合」または「昭和57年以降に建築」されたものであることが要件です。

さらに、原則として贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得する必要があります。この期限に間に合わないと非課税の対象から外れるので、引き渡しのスケジュールには注意してください。

この制度がどれくらい使われているかも見ておきましょう。財務省の資料では、適用件数は令和3年が7.0万件、令和4年が5.0万件、令和5年が6.2万件と公表されています。

住宅取得等資金贈与の非課税措置 適用件数
年度適用件数
令和3年7.0万件
令和4年5.0万件
令和5年6.2万件

住宅取得資金贈与の非課税枠

住宅取得資金贈与の非課税枠は、住宅の性能などの条件によって変わります。

住宅取得資金贈与の非課税枠

省エネ性能などの高い住宅ほど非課税枠が大きくなる設計になっています。具体的な上限額は年度ごとに改正されるため、利用する年の最新ルールを国税庁や財務省の資料で確認するのが確実です。

私が相談を受けたケースでは、新築のタイミングと贈与のタイミングがずれて、翌年3月15日の取得期限に間に合わなかった例がありました。建築の遅れは珍しくありません。資金を先にもらってしまうと焦ることになるので、段取りが大切です。

住宅資金の贈与は「翌年3月15日までに取得」が大原則。お金の援助だけ先に受けると期限切れのリスクがあります。

相続時精算課税選択の注意点

相続時精算課税は、一度選ぶと同じ贈与者からの贈与について暦年課税に戻せないのが最大の注意点です。

相続時精算課税選択の注意点

贈与した財産は、最終的に相続のときに相続財産へ加算して精算されます。だから「税金が消えた」わけではなく「先送りした」と理解するのが正確です。

暦年課税にも、相続前7年以内の贈与は相続財産に加算されるルールがあります。ただし財務省の資料によると、相続前3年超7年以内の贈与については、総額100万円までは加算しない取扱いがあります。

どちらが得かは、財産の総額・年齢・贈与したい金額で変わります。正直、これは自己判断が難しい領域です。私なら、まとまった額を早く渡したいなら相続時精算課税、毎年コツコツ渡せるなら暦年課税、という大枠で考えたうえで、税理士に試算してもらいます。

よくある質問

失敗事例が多数…絶対にやってはいけない生前贈与を税理士がわかりやすく解説!
失敗事例が多数…絶対にやってはいけない生前贈与を税理士がわかりやすく解説!

贈与について、相談窓口でも特によく聞かれた質問に答えます。

よくある質問

贈与とは?
贈与とは、個人が無償で財産を相手に渡し、相手が受け取ることで成立する行為です。財産をもらった人に贈与税がかかり、課税のもとになるのは取得した時点の時価です。
贈与の費用は?
年110万円以下の贈与なら贈与税はかかりません。110万円を超えると、超えた部分に暦年課税で10%〜55%の税率がかかります。相続時精算課税を選ぶと、2,500万円までの贈与は贈与時に課税されず、超過分に一律20%がかかります。
贈与の始め方は?
まず1年でいくら渡すかを決め、110万円以下なら申告不要でそのまま渡せます。110万円を超える、または住宅資金や相続時精算課税の特例を使うなら、贈与契約書を残し、翌年2月1日から3月15日までに贈与税の申告を行います。

贈与は「知っているかどうか」で支払う税金が変わる世界です。まずは年110万円の枠を起点に、自分のケースで超えそうかどうかを確かめてみてください。

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中村 恵子

元地方銀行員(相続相談窓口担当) ・ ファイナンシャルプランニング技能士2級

相続・不動産分野の取材を10年以上続けるフリーライター兼編集者。税理士や司法書士への直接取材と自身の親の相続経験をもとに、専門用語をかみ砕いて伝えることを信条としている。

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