贈与税かからない方法とは?基本の仕組みと計算方法を解説

- 1月1日〜12月31日に受けた贈与の合計が110万円以下なら贈与税はかからない。
- 生活費・教育費は必要な都度、直接その用途に充てる場合だけ非課税になる。
- 相続時精算課税制度には2024年1月から年110万円の基礎控除がある。
- 香典・お見舞い・年末年始の贈答など社会通念上相当な金品は非課税。
- 住宅取得等資金や教育資金の一括贈与は制度ごとに期限・上限が違うため国税庁の最新情報を必ず確認する。
贈与税かからない方法の結論

贈与税をかけずに財産を渡す最も基本的な方法は、1年間の贈与額を110万円以下に抑えることです。
国税庁の「No.4405 贈与税がかからない場合」によると、暦年課税の基礎控除は年110万円。1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与の合計がこの額以下なら、申告も納税も不要です。
これに加えて、生活費・教育費の都度払い、夫婦間の住宅贈与、相続時精算課税制度などを組み合わせると、さらに大きな金額を非課税で動かせます。
必要なものは、通帳など振込記録の残る口座、贈与契約書(テンプレートで十分)、印鑑です。私が親の相続で痛感したのは、「記録が残っていないと、後から贈与だったと証明できない」ということでした。
特集
贈与税の非課税は、目的に合わせて制度を選ぶと効果が大きくなります。

たとえば「相続税対策として配偶者に自宅を渡したい」なら夫婦間贈与、「孫の教育費を一気に出したい」なら教育資金の一括贈与、というように使い分けます。次の表に主な非課税の方法を整理しました。
| 方法 | 非課税の枠・条件 | 根拠 |
|---|---|---|
| 暦年課税の基礎控除 | 年110万円まで | 国税庁 No.4405 |
| 生活費・教育費の都度払い | 通常必要と認められる範囲・直接その用途に充てる | 国税庁 No.4405 |
| 相続時精算課税の特別控除 | 累計2,500万円まで(超過分は課税) | 国税庁 No.4408 |
| 相続時精算課税の基礎控除 | 2024年1月以後の贈与で年110万円 | 国税庁 No.4408 |
| 社会通念上相当な金品 | 香典・お見舞い・祝物など | 国税庁 No.4405 |
商品・サービスから探す
非課税の枠を使った贈与は、銀行や信託の専用サービスを使うと記録が残しやすくなります。
特に教育資金や結婚・子育て資金の一括贈与は、金融機関に専用口座を開いて領収書を提出する仕組みです。自分で記録を管理するより、口座を通すほうが税務署への証明がはるかに楽になります。
ただし、これらの一括贈与は制度ごとに上限額・年齢要件・終了時期が異なります。商品を選ぶ前に、必ず国税庁の最新案内と法令で対象期間を確認してください。
目的から探す

目的が「相続税対策」か「子・孫への資金援助」かで、選ぶべき非課税の方法は変わります。
相続財産を計画的に減らしたいなら、暦年110万円の贈与を長期で続けるか、相続時精算課税制度を検討します。すぐに大きな資金を渡したいなら、住宅取得等資金や教育資金の一括贈与が向いています。
| 目的 | 向いている方法 |
|---|---|
| 少額をコツコツ移したい | 暦年課税の基礎控除(年110万円) |
| 自宅を配偶者に渡したい | 夫婦間の住宅贈与(直系尊属の住宅資金とは別制度・要件確認) |
| 孫の学費をまとめて出したい | 教育資金の一括贈与(期限・上限要確認) |
| まとまった額を早く渡したい | 相続時精算課税制度(特別控除2,500万円) |
イオン銀行で申し込む
贈与税の税率や制度の概要は、銀行が公開している解説ページでも確認できます。

イオン銀行のコラムでも贈与税の税率や仕組みが整理されています。金融機関の窓口で相談すると、贈与に使う口座開設や振込の記録づくりまで一度に進められる利点があります。
ただし、最終的な非課税の判断や申告の要否は、必ず国税庁の一次情報で裏を取ってください。銀行の解説はあくまで入り口です。
贈与税とは
贈与税とは、個人から財産を無償でもらったときに、もらった側に課される税金です。
一方で、法人からの贈与で取得した財産は、原則として「贈与税がかからない場合」の対象外です。この場合は所得税の対象になる点を取り違えやすいので注意してください。
正直に言うと、相談窓口にいた頃、「もらったのは自分なのに、なぜ自分が払うの?」という質問が一番多かったです。贈与税は渡した人ではなく、もらった人が払う税金、とまず覚えてください。
贈与税の基本的な仕組み

贈与税は、1年間(1月1日〜12月31日)にもらった財産の合計から基礎控除110万円を引いた残りに課税されます。
だから、複数の人から贈与を受けても、合算した額が110万円以下なら税金はかかりません。逆に、AさんとBさんから60万円ずつもらえば合計120万円となり、10万円分が課税対象になります。
この「もらった側で合算する」という点を見落として、贈与する人ごとに110万円渡せると勘違いするケースをよく見ました。基準はあくまで受け取る人の年間合計です。
贈与税の計算方法
贈与税は「(年間の贈与合計 − 110万円) × 税率 − 控除額」で計算します。

税率には2種類あります。直系尊属(祖父母・父母など)から18歳以上の子・孫への贈与に使う「特例税率」と、それ以外に使う「一般税率」です。同じ金額でも、どちらの税率が適用されるかで税額が変わります。
具体的な税率の数値は制度改正の影響を受けるため、計算の前に必ず国税庁の最新の税率表で確認してください。
一般税率
一般税率は、特例税率の対象にならない贈与、たとえば兄弟間や夫婦間、親から未成年の子への贈与などに適用されます。
一般税率は特例税率より高めに設定されている区分があります。同じ金額を渡すなら、誰から誰への贈与かで負担が変わるということです。
具体的な税率の数字は、国税庁の贈与税の速算表で確認してください。ここでは「対象が広い分、特例税率より重くなりやすい」とだけ押さえておけば十分です。
特例税率

特例税率は、直系尊属から贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の子や孫が対象です。
祖父母から孫へ、父母から成人した子へ、といった世代を超えた贈与で使えます。一般税率より低く抑えられている区分があるため、教育資金や住宅資金の援助とは相性がいい仕組みです。
私なら、まとまった額を子や孫に渡すときは、まず特例税率が使える条件を満たしているか年齢から確認します。1月1日時点の年齢が基準なので、誕生日の前後でズレる点だけ注意してください。
贈与税の計算例
贈与税の計算は「もらった額から110万円を引く」ところから始まります。

たとえば、ある年に親から200万円をもらった成人の子の場合、200万円から基礎控除110万円を引いた90万円が課税対象になります。この90万円に特例税率を掛け、控除額を引いた金額が実際の納税額です。
具体的な税率と控除額は国税庁の速算表の数値を使う必要があるため、ここでは課税対象額の出し方までを示します。逆に言えば、200万円のうち110万円分は確実に非課税、ということです。
贈与契約書の作り方は次の手順です。
- 1. 贈与する人・もらう人の氏名、贈与する財産と金額、贈与日を書面に記載する。
- 2. 双方が署名・押印する(ここまでできていれば契約書の体裁は完成)。
- 3. 現金ではなく振込で渡し、通帳に記録を残す(贈与の事実を証明できる)。
- 4. 110万円を超えたら、翌年2月1日〜3月15日に贈与税の申告書を提出する。
うまくいかないときは、口座をもらう人が普段から管理しているか確認してください。親が通帳と印鑑を握ったままだと、名義だけの「名義預金」とされ、贈与が成立していないと判断されることがあります。
この手順どおりに進めれば、年110万円以下の贈与なら申告不要で、記録も残せた状態になります。
よくある質問
相談窓口でよく受けた質問を、国税庁の情報をもとにまとめました。
よくある質問
最後にひとつだけ。教育資金や住宅資金の一括贈与は、期限と上限額が改正でよく変わります。私が取材で確認するときも、必ず国税庁の最新ページに当たり直します。手間でも、お金が大きく動く話なので一次情報での確認を習慣にしてください。
