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生前贈与の非課税・特例制度

生前贈与の住宅取得資金に使える条件とは?非課税限度額や手続きを解説

中村 恵子 / 更新:2026-06-24
生前贈与の住宅取得資金に使える条件とは?非課税限度額や手続きを解説
親や祖父母から住宅資金をもらえそうだけど、贈与税が心配——そんな相談を相続窓口で何度も受けてきました。結論から言うと、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」を使えば、省エネ等住宅なら最大1,000万円まで贈与税ゼロで受け取れます。ただし要件を1つでも外すと課税されるので、条件を正しく押さえることが肝心です。
  • 非課税限度額は省エネ等住宅で1,000万円、それ以外で500万円。
  • 贈与者は父母・祖父母などの直系尊属に限られる。
  • 受贈者は贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上が必要。
  • 受贈者の合計所得金額は原則2,000万円以下が条件。
  • この特例の適用期限は令和8年12月31日まで延長されている。

生前贈与 住宅取得資金 条件の結論

住宅取得等資金贈与の非課税をわかりやすく徹底解説【延長決定】
住宅取得等資金贈与の非課税をわかりやすく徹底解説【延長決定】

住宅取得資金の生前贈与で非課税になるのは、直系尊属からの贈与で、受贈者が18歳以上・所得2,000万円以下などの条件をすべて満たした場合です。

正式な制度名は「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」。長いので、現場では「住宅資金贈与の非課税特例」と呼ぶことが多いです。

私が窓口で見てきた限り、つまずく人の多くは「期限」と「居住要件」を見落とします。お金をもらうだけでは終わらず、その家に実際に住むまでがセットだと考えてください。

この特例は令和6年度税制改正で令和8年12月31日まで延長されています。期限切れを前提に動くと損をするので、最新の適用期限を必ず確認してください。

対象税目

この特例が関わる税目は「贈与税」です。

対象税目

贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金。住宅資金をまとまって受け取れば本来は課税対象ですが、この特例で一定額まで非課税にできます。

正直に言うと、相続税と混同する人が多いところです。生きている親からもらえば贈与税、亡くなった後に引き継げば相続税。今回扱うのは前者の話です。

概要

概要を一言でいえば、父母や祖父母から自分の住む家の購入・新築・増改築の資金をもらったとき、一定額まで贈与税がかからない制度です。

国税庁のタックスアンサーでも、対象は「直系尊属からの住宅取得等資金の贈与」と明記されています。

ポイントは、もらったお金を「自分が住むための家」に使うこと。投資用のアパートや、親が住む家の資金には使えません。ここを勘違いして契約してしまうと、後から非課税が認められず慌てることになります。

非課税限度額

土地だけの取得で住宅取得資金贈与は使えるの?
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非課税限度額は、省エネ等住宅で1,000万円、それ以外の住宅で500万円です。

住宅取得等資金贈与の非課税限度額(令和6年以降)
住宅の種類非課税限度額
省エネ等住宅1,000万円
上記以外の住宅500万円

差は500万円。同じ家を買うなら省エネ等住宅を選んだほうが非課税枠は倍になります。

「省エネ等住宅」とは、断熱性能や耐震性能、バリアフリー性能が一定基準を満たす住宅のこと。証明書の取得が必要なので、ハウスメーカーや工務店に早めに相談しておくと安心です。

対象者または対象物

対象になるのは、贈与者が父母・祖父母などの直系尊属で、もらったお金を自己の居住用住宅の取得等に充てるケースです。

対象者または対象物

直系尊属とは、自分から見て上の世代の血のつながった親族。父母・祖父母・曽祖父母が含まれます。

注意したいのは、配偶者の親は直系尊属に入らないこと。義理の父母からの贈与はこの特例の対象外です。私も「夫の親からもらえると思っていた」という相談を受けたことがあり、ここは見落としやすい落とし穴です。

対象物は、新築・取得・増改築等のための資金。土地だけの取得には使えないケースもあるため、家屋とセットで考えてください。

受贈者の要件

受贈者の主な要件は、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上、かつ合計所得金額が原則2,000万円以下であることです。

受贈者に関する主な要件
項目要件
年齢贈与を受けた年の1月1日に18歳以上
所得(原則)合計所得金額2,000万円以下
所得(床面積40㎡以上50㎡未満の場合)合計所得金額1,000万円以下
過去の適用平成21年分から令和5年分の申告で同特例を受けていないこと
居住贈与の翌年12月31日までにその家屋に居住

年齢は「贈与時」ではなく「その年の1月1日」で判定します。誕生日のタイミングによっては1年待ったほうがよいこともあるので、ここは慎重に。

床面積が40㎡以上50㎡未満の小さめの住宅では、所得の上限が1,000万円に下がります。共働きで所得が高い人は要チェックです。

住宅用の家屋の新築、取得または増改築等の要件

【2026年最新版】住宅取得資金の贈与は最高で1,000万円までが非課税に!特例を利用するために必要な〝8つの条件〟を解説!
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住宅の床面積は原則40㎡以上240㎡以下で、その半分以上を自分の居住用に使うことが要件です。

上限が240㎡なので、広すぎる豪邸は対象外。下限の40㎡未満の狭小住宅も使えません。

もらった資金で取得した家屋に、贈与を受けた年の翌年12月31日までに住むことが原則の条件です。住む予定がない・住むのが大幅に遅れる場合は非課税が認められません。

増改築の場合は、工事費用が一定額以上であることなどの条件があります。リフォームでこの特例を使うなら、工事内容の証明書類をきちんと残しておいてください。

手続き

この特例を受けるには、必ず贈与税の申告が必要です。

手続き

「非課税だから申告しなくていい」と思いがちですが、ここが一番怖い誤解。申告して初めて非課税が適用されるしくみで、申告を忘れると満額課税されてしまいます。

申告期間は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで。所得税の確定申告とほぼ同じ時期です。

申告等の方法

申告は贈与税の申告書に、戸籍謄本や住宅の登記事項証明書、契約書の写しなどを添付して行います。

省エネ等住宅で1,000万円枠を使う場合は、その性能を証明する書類も必要です。書類が1枚足りないだけで適用が遅れることがあるので、私はチェックリストを作って一つずつ潰すことを勧めています。

なお、この特例は暦年課税の基礎控除(110万円)や相続時精算課税と併用できます。たとえば省エネ等住宅なら、非課税枠1,000万円に暦年の110万円を足して、計1,110万円まで贈与税ゼロにできる計算です。

住宅資金贈与の非課税枠は、夫と妻それぞれが自分の親から別々に受けられます。共働き夫婦なら、二人分の枠を使ってより多くの資金を非課税で受け取れる可能性があります。

申告先等

【徹底解説】住宅取得資金の非課税特例!最大1000万円が支援される制度って?
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申告先は、受贈者(もらった人)の住所地を管轄する税務署です。

贈与者の住所地ではない点に注意してください。提出はe-Taxでも、税務署窓口でも、郵送でも可能です。

判断に迷う部分が出たら、申告期限ぎりぎりではなく、年明け早めに税務署か税理士に相談するのが安全です。3月に入ると窓口は混み合います。

根拠法令等

この特例の根拠は、租税特別措置法に定められた住宅取得等資金の贈与に関する非課税措置です。

根拠法令等

具体的な要件や金額は、国税庁のタックスアンサー(No.4508)と、国土交通省の住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置のページで確認できます。

令和6年度税制改正で適用期限が3年延長され、令和8年12月31日までとなったことは、国土交通省も明記しています。制度は改正で変わるため、契約前に最新の公式情報をあたるのが確実です。

よくある質問

よくある質問

生前贈与 住宅取得資金 条件とは?
父母や祖父母などの直系尊属から、自分が住む家の新築・取得・増改築の資金をもらったとき、一定額まで贈与税が非課税になる制度の条件です。受贈者は贈与を受けた年の1月1日に18歳以上、合計所得金額は原則2,000万円以下であることが必要です。
生前贈与 住宅取得資金 条件の費用は?
特例の利用自体に手数料はかかりません。非課税枠は省エネ等住宅で1,000万円、それ以外の住宅で500万円までです。ただし省エネ等住宅の性能証明書の取得費用や、税理士に申告を依頼する場合の報酬は別途かかります。
生前贈与 住宅取得資金 条件の始め方は?
まず親や祖父母からの贈与契約を結び、その資金で住宅を取得します。贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、受贈者の住所地を管轄する税務署へ贈与税の申告書と必要書類を提出すれば適用されます。申告しないと非課税になりません。
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中村 恵子

元地方銀行員(相続相談窓口担当) ・ ファイナンシャルプランニング技能士2級

相続・不動産分野の取材を10年以上続けるフリーライター兼編集者。税理士や司法書士への直接取材と自身の親の相続経験をもとに、専門用語をかみ砕いて伝えることを信条としている。

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